JOC主催の事業の1つに、「JOCオリンピック教室」というものがあり、オリンピックムーブメントの普及と啓発活動が目的の事業です。
オリンピアンによって全国各地で行なわれている事業ではありますが、今回僕は千葉県香取市立佐原第五中学校に伺いました。
千葉県は、東京2020のフェンシングの競技会場になっており、オリンピックはもとより、フェンシング競技にとっても重要なポイントとなっている場所なのですが、まだまだ競技会場としての認知は遅れていると感じていたので、直接千葉の子供たちの声を聞けることがとても楽しみでした。
僕が担当した中学二年生の一時間目の授業では、オリンピックバリュー(オリンピックの価値)についてみんなと一緒に考えました。IOCが掲げているオリンピックバリューとなるキーワードはExcellence(卓越)、Friendship(友情)Respect(敬意・尊重)の3つ。このキーワードはオリンピックを目指す選手たちにとって、とても大事なことありますが、直接スポーツに関係のない人たちでも自分の人生を豊かにする上でとても大事なキーワードであるということを話してきました。
子供たちも普段の授業とは違かったためか反応もよく、いろいろな意見や夢を話してくれました。なかには「総理大臣になるためには?」なんて子もいて、僕にとっても刺激的でいろいろと考えさせられた授業でした。
二時間目は、少しでもフェンシングを身近に感じてもらいたいと、フェンシングのエクササイズを体験してもらいました。予想通りフェンシングを経験したことのない子供たちがほとんどでしたが、他のスポーツにはなかなかないフェンシング独特の動きは、もの珍しさや新鮮さもあったようでみんな楽しんでくれました。
こういったイベントを通して子供たちと触れ合っていると、「フェンシングをやりたい」と言ってくれる子供たちに大勢出会います。ですが、近くにフェンシングができる環境がないという問題は、日本のフェンシング界にとって最大の課題であり、僕も悩ましく思っています。
今回のイベントを終えて僕が感じたことは、「JOCオリンピック教室」はオリンピックバリューという普段子供たちが考えることがないテーマをあえて話し合うことによって、人生を豊かに生きるため方法を考える機会になるということです。僕自身もオリンピックやフェンシングについてより深いところまで理解し伝えることができるよう更に学び続け、今後も活動していきたいと思います。