世界で戦うフェンシング選手がどのような国際大会に参加し、どのようにして世界ランキングが決まるかをまとめてみました。各舞台の価値を理解して応援していただくことは、選手たちにとって何よりもの力になります。
主な国際大会
フェンシングの主な国際大会は、オリンピック、ワールドチャンピオンシップ、ワールドカップグランプリ、アジア選手権、ワールドカップ(カテゴリーA)の5大会になります。個人種目は全大会で開催され、団体戦はワールドカップグランプリを除く4大会で開催されます。
大会 | 価値 |
---|---|
オリンピックOlympic Games | フェンシングの最高舞台であり、4年に1度だけ開催される。開催年前年から始まるポイントレースや、最終予選を通過してようやく出場権を勝ち取ることができる。オリンピックは出場するだけでも難しい。優勝すると96ポイント獲得できる。 |
ワールドチャンピオンシップWorld Championships | 1年に1大会開催されるワールドチャンピオンシップ。世界各国のトップアスリートの中では、1年間で1番重要な大会と位置づけられている。オリンピック年は開催されない。優勝すると80ポイント獲得できる。 |
ワールドカップグランプリWorld Cup Grand Prix | 1年に3大会開催されるワールドカップのグランプリシリーズ。優勝すると48ポイント獲得できる。ポイントの比率は、ワールドカップ・カテゴリーAシリーズの1.5倍。 |
アジア選手権Asian Championship | 1年に1大会開催される大陸のチャンピオンを決める大会。優勝すると48ポイント獲得できる。 |
ワールドカップ(カテゴリーA)World Cup | 1年に5大会開催されるワールドカップのカテゴリーAシリーズ。優勝すると32ポイント獲得できる。日本でも毎年開催されている唯一の国際大会。「高円宮杯」。 |
サテライト大会Satellite | 優勝すると4ポイント獲得できる比較的出場しやすい大会。 |
各大会の獲得ポイント(個人)
各大会ごとの成績によって個人の世界ランキングに反映されます。大会によって与えられるポイントの配分が違い、ポイントが1番高い大会はオリンピック、次いでワールドチャンピオンシップ、ワールドカップグランプリとアジア選手権、ワールドカップ(カテゴリーA)、そしてサテライトという順になります。各大会で獲得したポイントの有効期限は、翌年の同大会までであり、同大会でポイントが更新されます。ランキング上位を維持するには、シーズンを通してバランス良くポイントを獲得する必要があります。
大会 | 獲得ポイント | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
優勝 | 準優勝 | 3位 (2名) |
5位 – 8位 |
9位 – 16位 |
17位 – 32位 |
33位 – 64位 |
65位 – 96位 |
97位 以下 |
|
オリンピックOlympic Games | 96 | 78 | 60 | 42 | 24 | 12 | 6 | 3 | 0 |
ワールドチャンピオンシップWorld Championships | 80 | 65 | 50 | 35 | 20 | 10 | 5 | 2.5 | 0 |
ワールドカップグランプリWorld Cup Grand Prix | 48 | 39 | 30 | 21 | 12 | 6 | 3 | 1.5 | 0 |
アジア選手権Asian Championship | 48 | 39 | 30 | 21 | 12 | 6 | 3 | 1.5 | 0 |
ワールドカップ(カテゴリーA)World Cup | 32 | 26 | 20 | 14 | 8 | 4 | 2 | 1 | 0 |
サテライト大会Satellite | 4 | 3 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
- オリンピックOlympic Games
- 優勝
- 96 ポイント
- 準優勝
- 78 ポイント
- 3位(2名)
- 60 ポイント
- 5位 – 8位
- 42 ポイント
- 9位 – 16位
- 24 ポイント
- 17位 – 32位
- 12 ポイント
- 33位 – 64位
- 6 ポイント
- 65位 – 96位
- 3 ポイント
- 97位以下
- 0 ポイント
- ワールドチャンピオンシップWorld Championships
- 優勝
- 80 ポイント
- 準優勝
- 65 ポイント
- 3位(2名)
- 50 ポイント
- 5位 – 8位
- 35 ポイント
- 9位 – 16位
- 20 ポイント
- 17位 – 32位
- 10 ポイント
- 33位 – 64位
- 5 ポイント
- 65位 – 96位
- 2.5 ポイント
- 97位以下
- 0 ポイント
- ワールドカップグランプリWorld Cup Grand Prix
- 優勝
- 48 ポイント
- 準優勝
- 39 ポイント
- 3位(2名)
- 30 ポイント
- 5位 – 8位
- 21 ポイント
- 9位 – 16位
- 12 ポイント
- 17位 – 32位
- 6 ポイント
- 33位 – 64位
- 3 ポイント
- 65位 – 96位
- 1.5 ポイント
- 97位以下
- 0 ポイント
- アジア選手権Asian Championship
- 優勝
- 48 ポイント
- 準優勝
- 39 ポイント
- 3位(2名)
- 30 ポイント
- 5位 – 8位
- 21 ポイント
- 9位 – 16位
- 12 ポイント
- 17位 – 32位
- 6 ポイント
- 33位 – 64位
- 3 ポイント
- 65位 – 96位
- 1.5 ポイント
- 97位以下
- 0 ポイント
- ワールドカップ(カテゴリーA)World Cup
- 優勝
- 32 ポイント
- 準優勝
- 26 ポイント
- 3位(2名)
- 20 ポイント
- 5位 – 8位
- 14 ポイント
- 9位 – 16位
- 8 ポイント
- 17位 – 32位
- 4 ポイント
- 33位 – 64位
- 2 ポイント
- 65位 – 96位
- 1 ポイント
- 97位以下
- 0 ポイント
- サテライト大会Satellite
- 優勝
- 4 ポイント
- 準優勝
- 3 ポイント
- 3位(2名)
- 2 ポイント
- 5位 – 8位
- 1 ポイント
- 9位 – 16位
- 0 ポイント
- 17位 – 32位
- 0 ポイント
- 33位 – 64位
- 0 ポイント
- 65位 – 96位
- 0 ポイント
- 97位以下
- 0 ポイント
各大会の獲得ポイント(国別団体)
個人と同じく、各大会ごとの団体戦の成績によって国別世界ランキングに反映されます。個人戦と団体戦の違いは、16位まで順位決定がされることです。仮にトーナメントの途中で敗戦した場合でも、順位決定のための戦いが続くので精神的な強さが求められます。
大会 | 獲得ポイント | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
優勝 | 準優勝 | 3位 | 4位 | 5位 | 6位 | 7位 | 8位 | 9位 | |
10位 | 11位 | 12位 | 13位 | 14位 | 15位 | 16位 | 17位 – 32位 |
33位 以下 |
|
オリンピックOlympic Games | 128 | 104 | 80 | 72 | 64 | 60 | 56 | 52 | 50 |
48 | 46 | 44 | 42 | 40 | 38 | 36 | 16 | 0 | |
ワールドチャンピオンシップWorld Championships | 128 | 104 | 80 | 72 | 64 | 60 | 56 | 52 | 50 |
48 | 46 | 44 | 42 | 40 | 38 | 36 | 16 | 0 | |
ワールドカップグランプリWorld Cup Grand Prix | 団体戦の開催なし | ||||||||
アジア選手権Asian Championship | 64 | 52 | 40 | 36 | 32 | 30 | 28 | 26 | 25 |
24 | 23 | 22 | 21 | 20 | 19 | 18 | 8 | 0 | |
ワールドカップ(カテゴリーA)World Cup | 64 | 52 | 40 | 36 | 32 | 30 | 28 | 26 | 25 |
24 | 23 | 22 | 21 | 20 | 19 | 18 | 8 | 0 |
- オリンピックOlympic Games
- 優勝
- 128 ポイント
- 準優勝
- 104 ポイント
- 3位
- 80 ポイント
- 4位
- 72 ポイント
- 5位
- 64 ポイント
- 6位
- 60 ポイント
- 7位
- 56 ポイント
- 8位
- 52 ポイント
- 9位
- 50 ポイント
- 10位
- 48 ポイント
- 11位
- 46 ポイント
- 12位
- 44 ポイント
- 13位
- 42 ポイント
- 14位
- 40 ポイント
- 15位
- 38 ポイント
- 16位
- 36 ポイント
- 17位 – 32位
- 16 ポイント
- 33位以下
- 0 ポイント
- ワールドチャンピオンシップWorld Championships
- 優勝
- 128 ポイント
- 準優勝
- 104 ポイント
- 3位
- 80 ポイント
- 4位
- 72 ポイント
- 5位
- 64 ポイント
- 6位
- 60 ポイント
- 7位
- 56 ポイント
- 8位
- 52 ポイント
- 9位
- 50 ポイント
- 10位
- 48 ポイント
- 11位
- 46 ポイント
- 12位
- 44 ポイント
- 13位
- 42 ポイント
- 14位
- 40 ポイント
- 15位
- 38 ポイント
- 16位
- 36 ポイント
- 17位 – 32位
- 16 ポイント
- 33位以下
- 0 ポイント
- ワールドカップグランプリWorld Cup Grand Prix
- 団体戦の開催なし
- アジア選手権Asian Championship
- 優勝
- 64 ポイント
- 準優勝
- 52 ポイント
- 3位
- 40 ポイント
- 4位
- 36 ポイント
- 5位
- 32 ポイント
- 6位
- 30 ポイント
- 7位
- 28 ポイント
- 8位
- 26 ポイント
- 9位
- 25 ポイント
- 10位
- 24 ポイント
- 11位
- 23 ポイント
- 12位
- 22 ポイント
- 13位
- 21 ポイント
- 14位
- 20 ポイント
- 15位
- 19 ポイント
- 16位
- 18 ポイント
- 17位 – 32位
- 8 ポイント
- 33位以下
- 0 ポイント
- ワールドカップ(カテゴリーA)World Cup
- 優勝
- 64 ポイント
- 準優勝
- 52 ポイント
- 3位
- 40 ポイント
- 4位
- 36 ポイント
- 5位
- 32 ポイント
- 6位
- 30 ポイント
- 7位
- 28 ポイント
- 8位
- 26 ポイント
- 9位
- 25 ポイント
- 10位
- 24 ポイント
- 11位
- 23 ポイント
- 12位
- 22 ポイント
- 13位
- 21 ポイント
- 14位
- 20 ポイント
- 15位
- 19 ポイント
- 16位
- 18 ポイント
- 17位 – 32位
- 8 ポイント
- 33位以下
- 0 ポイント
男子フルーレ年間スケジュール 2017-2018 シーズン(※2018-2019 シーズンから変更あり)
国際舞台で戦うフェンシング選手は、年間通しての世界中で試合をすることとなり、常に結果を求められるためコンディションの維持が重要となります。以下のスケジュールは2017-2018シーズン 男子フルーレの日程になります。フェンシングはフルーレ・エペ・サーブルの種目別、そして男女別で大会期間や開催国・都市に違いがある場合があります。また、2018-2019シーズンから日程が大幅に変更される予定です。日程が決定し次第ご紹介します。
大会名 | 開催国 | 都市 | |
---|---|---|---|
10月 | ワールドカップ 第1戦(カテゴリーA) | エジプト | カイロ |
11月 | ワールドカップ 第2戦(カテゴリーA)「高円宮杯」 | 日本 | 東京 |
12月 | ワールドカップ 第3戦(グランプリ) | イタリア | トリノ |
1月 | ワールドカップ 第4戦(カテゴリーA) | フランス | パリ |
2月 | ワールドカップ 第5戦(カテゴリーA) | ドイツ | ボン |
3月 | ワールドカップ 第6戦(グランプリ) | アメリカ | カルフォルニア |
4月 | |||
5月 | ワールドカップ 第7戦(カテゴリーA) | ロシア | サンクトペテルブルク |
ワールドカップ 第8戦(グランプリ) | 中国 | 上海 | |
6月 | アジア選手権 | ||
7月 | ワールドチャンピオンシップ | ||
8月 | |||
9月 | 全日本選手権 | 日本 |
大会名 | ||
---|---|---|
開催国 | 都市 | |
10月 | ワールドカップ 第1戦(カテゴリーA) | |
エジプト | カイロ | |
11月 | ワールドカップ 第2戦(カテゴリーA)「高円宮杯」 | |
日本 | 東京 | |
12月 | ワールドカップ 第3戦(グランプリ) | |
イタリア | トリノ | |
1月 | ワールドカップ 第4戦(カテゴリーA) | |
フランス | パリ | |
2月 | ワールドカップ 第5戦(カテゴリーA) | |
ドイツ | ボン | |
3月 | ワールドカップ 第6戦(グランプリ) | |
アメリカ | カリフォルニア | |
4月 | ||
5月 | ワールドカップ 第7戦(カテゴリーA) | |
ロシア | サンクトペテルブルク | |
ワールドカップ 第8戦(グランプリ) | ||
中国 | 上海 | |
6月 | アジア選手権 | |
7月 | ワールドチャンピオンシップ | |
8月 | ||
9月 | 全日本選手権 |
最後に
フェンシングは番狂わせが起こりやすく、伏兵が勝ち上がり表彰台に立つこともめずらしくありません。反対に言えば、ランキング上位選手が毎回表初台に立つわけではなく、玄人でもどの選手が勝つかは予想できないのも特徴です。
いろいろなスタイル、個性を持つ選手たちの戦いをぜひ、観て楽しんでください。